古本のクリーニング色々な方法を試してみた!中古本の汚れが綺麗に【ブックカフェ開業】
現在、私はブックカフェに置く予定の本を、古本屋やネットショップで集めています。
ネットショップで購入する際、状態「良い」「非常に良い」を選んで、なるべく痛みがない本を購入しているのですが、中には痛みや汚れがついてしまっている本が届くことがあります。
また、前々から所持している本で、かなり状態の悪い本がいくつかあります。
今のところ販売する予定はないにしても、お客様に読んでいただく本なのだから綺麗な方が絶対にいいです。
どうにかクリーニングをして綺麗にしたいと思い、色々と調べて試してみました!
私がやった方法が皆さんの参考になれば幸いです。
つるつるのコート紙の表紙カバーを綺麗にする方法
今回ご協力いただくのは、この本。
「西洋歴史奇譚」さん!


この本はもう十年ほど前に入手した年代物の本で、西洋の幽霊や怪異、神秘や魔術などの奇譚が20話収められております。
面白いのですが、カバーの上部や下部、そでの端の部分が茶色く汚れてしまっています…。触ってみるとガリガリとしており、頑固そうな汚れです。振り返る悪魔も、「うわぁ汚い!」と困ってしまっている様子…。
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本の汚れをクリーニングするには何を使えばよいか?というのをネットで調べたら、あれやこれやと様々なものが出てきました。検索しているうちに、やはり疑問が湧いてきます。
実際、どれが一番落ちるのか?どれがやりやすいのか?
ということで、一挙に用意してみました!じゃじゃーん!

家にあるものをかき集めてきました!
実験してみるものは、「重曹」「除菌ウェットティッシュ」「弱アルカリ性の衣類用洗剤」「台所の漂白剤」「メラミンスポンジ」「靴磨きクリーム」「綿のハンカチと水」の7種類。
後ろにたたずむ大きいサイズの三種類は、かさばるので別の容器に移して水で薄めて準備します。

さぁ、戦いの火蓋は切られましたよ…!
7種類の手段で汚れを取っていこうと思います!
重曹&水
お料理やお掃除でお馴染みの、白い粉末の重曹。またの名は炭酸水素ナトリウムであるそうです。
水と混ぜて使っていきます。
ネットでは水200mlに対して、重曹小さじ1と書かれていましたが、それを作ってしまうと、とんでもない量になってしまいます。クリーニングする本が大量でない限りは、水少しに対し、重曹ほんの少しでいいと思います^^;
綿のハンカチを少ししめらせ、汚れている部分をふきふき。すると、汚れがとれました!
ただ、「重曹の粒が研磨して汚れを取る」という使い方になるので、汚れを落とした後に重曹の粒子が残ってしまいました…。残った粒を払う作業は、人や場合によっては手間に感じてしまうかもしれません。
除菌ウェットティッシュ
このパンデミックの時代、よく使われる除菌ウェットティッシュ。手やテーブルを拭くのに重宝します。
一枚抜いて拭き拭きすると、汚れがとれました!汚れもとれて除菌ができるのが、一石二鳥でいいですね。家にもし使えるウェットティッシュがあるなら、ぜひ使いたい一品です。
弱アルカリ性の衣類洗剤
ネット上では弱アルカリ性の台所洗剤と書かれていましたが、台所のものは中性洗剤しかなく衣類洗剤にしました。なんとかなる精神です(笑)
洗剤を水で薄め、それを綿のハンカチに少し湿らせて汚れを拭きました。汚れは綺麗に落ちたのですが、こすると少し泡立ってしまうのと、匂いが気になりました。衣類をいい匂いにするための、フローラルな香りがする…。
あとで水拭きすれば気にならなくなりましたが、洗剤→水拭きの過程があって、作業が多めになってしまいました。
台所の漂白剤
ネット上では衣類系の漂白剤と書かれていましたが、ちょうど家にあったのが台所用だったのでこれを使ってみました。家にあるのが衣類洗剤と逆だったらよかったのに…^^;
手袋をはめて周囲に飛び散らないように注意しながら水で薄め、綿のハンカチを湿らせて汚れを拭きました。
汚れはしっかりと落ちましたが、とりわけカバーの黄ばみ汚れが漂白されたという感じではなかったです。
つるつるのコート紙だとしても、まな板のように浸けて置いておいたらふにゃふにゃになってしまいますし…。
汚れが落ちる物は他にありますし、漂白剤は取り扱いに注意が必要なものなので、個人的にはそこまでやる必要はないのかなぁと思ってしまいました。
メラミンスポンジ
お掃除では強力な味方である、白い姿のメラミンスポンジさん。我が家の年末の大掃除でもお世話になっております。
頑固な汚れを落とすことを生業としている彼なので、少し水をつけてこするだけで、汚れがするっと落ちました。水をつけてこするだけなので、手間もないし危険もありません。とてもおすすめです!
ただ、強くこすりすぎてしまうと、コート紙の表面を傷つけてしまう可能性があるので注意してください。
靴磨きクリーム
我が家の棚奥から発掘されてきた、靴磨きクリーム。主成分は水分、油分、ロウであるそう。
にゅっと出してみたら、クリームは半透明でした。
綿のハンカチにつけて拭き拭きしてみると、汚れはきちんと落ちたものの、本のカバーにクリームを塗るということに抵抗を感じてしまいました。なんだかつやつやにコーティングされてしまいそうで…。
水で拭いて仕上げをしました。個人的な見解になってしまいますが、やっぱり靴磨きクリームは靴がいいですね(笑)
綿ハンカチ&水
これまで数々の汚れ落としアイテムを使用してきましたが、最後は、ただ綿のハンカチと水オンリーでやってみました。
ハンカチを少し湿らせ、汚れをごしごし…。
すると…想像していたよりも汚れが落ちたではないですか!
重曹や漂白剤まで持ち出して磨いていた私も、びっくりの結果です(笑)
まさか水でもきちんと落とせるとは。
シンプル・イズ・ザ・ベストですね!

綿のハンカチさん、お疲れ様でした。色々なものを使いましたね。
あなたのおかげでカバーが生まれ変わりましたよ!

茶色がこびりついていたカバーが、すっかり綺麗になりました!
あれ、表紙ってこんなに白かったのか…。と思うほどの変わりよう。心なしか悪魔が喜んでおり、カバーが引き締まって厚くなったように感じました(笑)
今回の実験の結果では、個人的に「綿のハンカチと水」と「メラミンスポンジ」と「除菌ウェットティッシュ」に軍配があがりました!
結果的にすべてのもので汚れを落とすことができました。
ただ、人それぞれではあると思いますが、本のカバーにそこまで薬品的なものを使いたくなくて、汚れが落ちるならシンプルなものがいいと私は思いました。除菌ウェットティッシュはアルコールなので、薬品といえばそうなのですが、このご時世で慣れてしまってますね^^;
また、上記の三点は後で水を使ってもう一度拭き取る作業がないのがいいですね。
シンプルなものでも汚れは充分に落ちてくれました。
それでも落ちない汚れがあるようでしたら、洗剤や漂白剤などを使うのがいいのかなぁと思います。
なお、これらはつるつるの表面のコート紙を使用したカバーのみとなり、マットなタイプのカバーに使用はできません。同様に、コート紙の裏面部分は光沢がないマットなものであるので、汚れをとることはできませんでした。
もし本のクリーニングを行う際は、必ず目立たない箇所で確認をしてから、希望のものを使用するようにしてください。
漂白剤や洗剤を利用する際は、手袋の着用を行い、取り扱いに充分注意してください。
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今回、私は使用しませんでしたが、ネットの情報では以下のような方法も掲載されていました。
セスキ炭酸ソーダ水
油汚れなどの頑固な汚れを取る手段としてよく登場する、セスキ炭酸ソーダ。成分は重曹と炭酸ナトリウム。
セスキさんは重曹と親戚だったのですね。過去に買ったと思ったのですが、家になかった…。残念。
このセスキ炭酸ソーダもカバー汚れがよく落ちると紹介されていました。重曹よりも粉が残りにくいようで、水に溶かして拭けば手間いらずの強力なクリーニング剤になりそうですね。
ライターオイル(ジッポオイル)
なんとライターオイルがいいという情報も!オイルは石油とナフサ(揮発性の高いガソリン)を主成分としているとのこと。
オイルを布に少しつけて、汚れをふきふきするとカバー汚れが綺麗になるようです。揮発性なので、水よりも湿らずにいいと書かれていましたが…。
個人的な感想になってしまいますが、火に弱い本にオイルを塗るのに抵抗を感じてしまいました。あと、揮発で成分が飛ぶとはいえ、匂いが残りそうな気がして…。ライターオイル、綺麗になるのかしら。
本体の紙部分を綺麗にする方法
7種類の方法で、いたせりつくせりのクリーニングを行いましたが、掃除できたのはカバーの部分だけ。
お次は肝心の本体をクリーニングしていこうと思います!こちらもご協力いただくのは「西洋歴史奇譚」となります。
お掃除の手順はこのような感じです。
ほこり取り
本の小口(本のページのところ)や隙間にこびりついてしまったほこりを、綿の布や麺棒、静電気クリーナーなどで拭いてとっていきます。
カバーを外した本体を乾いた布、または水をつけて凄く固く絞った布で優しく拭いていきます。
水の含んだ布でごしごし拭いてしまうと、表紙やページが痛んでしまうのでNGです!
天日干し
棚や段ボールにしまい込まれて、湿ってカビっぽくなってしまった本は、天日干しをするといいです。
直射日光に当たってしまうと紙が変色してしまうので、風通しがよく日の当たらない場所に置いておくといいと思います。干しておくのは気候にもよりますが、1~2日ほどでいいのではないでしょうか。
「西洋歴史奇譚」もあらかじめ風通しのある机の上に置いておきました。
紙やすり

100均ショップで紙やすりを二種類購入。100円で8枚入りと6枚入り…。お得!
昔はこんな値段で紙やすりが買えるとは思っていませんでした。いい時代になりました。

かなり汚れと日焼けをしてしまっている本の小口。ちゃ、茶色い…!
まずは粗目の400番で小口をこしこしと擦ります。本を横に持って半分ずつこすると良い、とネットでは書かれていましたが、私は本を縦に持って一気にしゃっしゃと前後に滑らす方が性に合っていました。
少しこするだけで、目に見えて綺麗になっていくのが分かりました。気持ちいい!
カバーを外した、表紙部分もかなり茶色くなっていたので紙やすりで削りました。
仕上げに1200番で滑らかにします。仕上げは大事であるということが、触って理解できました。
本と思えないくらい本当に手触りが良くなったんです!なん~て滑らか~。ずっと撫でていたいくらい…!
この「みるみる綺麗になる過程」が癖になってしまい、このあと他の本も必死になって磨いていました(笑)
やはり表面を紙やすりで削ると粉が舞い散るので、注意してください。下に新聞紙をひいて、手袋やマスクを着用して作業することをお勧めします。汚れても大丈夫な場所で行いましょう。
私は削った後に少ーしだけ湿らせた布でふき取って、粉が飛ばないよう工夫しようとしましたが、やはり粉まみれに…。新聞紙と手に雪が積もりました^^;
本の表面や隙間に粉が入り込むので、本をぱたぱたと振って仕上げに拭いて、これでクリーニングお終いです!

クリーニング後の小口。だいぶ綺麗になりましたね~。茶色がかなり薄くなっており、見違えるようです。
あまり削りすぎても本に違和感が出てきてしまうと思い、ほどほどでやめてしまいましたが、もっと削ると更に綺麗になりそう。
年代物の古本であることには変わりありませんが、最初の汚れて茶ばんでいたあの頃の君ではありません…!
君は新しく生まれ変わり、第二の生を堪能するのです!(?)
長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が参考になれば幸いです。
皆様も、機会がありましたら本のクリーニングをやってみてください^^